wall〜壁〜5

タロウ  2009-04-21投稿
閲覧数[390] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「今、啓太送ったから、これから向かうわ。」

そう言って少年は携帯を切り、少年を待つ彼女のもとへ、自慢のバイクで向かった。

バイクの後部座席には、18本の「薔薇の花束」がしっかりとゴム紐で固定されていた。

その日の環状7号線は車も少なく、少年は彼女の笑顔を思い浮かべ、スピードを上げた。

(つまってるなぁ。)

前方に見えた立体交差付近で渋滞を感じた少年は、無意識に「側道」を選んだ。

直進の信号は青。

スピードを落とす事なく、少年は交差点へ進入した。

(ヤベッ・・・。)

鈍い衝突音が交差点に走り、薔薇の花束が夕暮れの空に舞った。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 タロウ 」さんの小説

もっと見る

エッセイの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ