○あなたの隣に○ No.5

スミカ。  2006-07-12投稿
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2.片思い…?

あの別れの日から1週間。奈々美は、隆史のことを忘れることだけを考えていた。
「奈々美〜」って廊下の向こうからかけてくる隆史の姿はもうない。
隆史の笑顔、優しさ、いつも隆史の隣には奈々美がいて、それが当たり前だと思っていた。
「ねぇ、奈々美?聞いてる?」
「えっ、なに?」
「ここ1週間ずーっと、ボーっとしちゃって。気になってるならやっぱりきちんと理由をきいたほうがいいよ?」
エリカは理由も言わず別れを告げた隆史に少しイラついていた。
「ううん、違う違う。最近寝不足で…」
「うそまるだし〜」
「…考えちゃう。トキもある。でもね、考えちゃいけないと思うの。隆史はきっと何か思うことがあったんだよ。何かあるはずなんだよ。隆史が泣いてたのもきっとそうなんだ。苦しかったんだよきっと。。だから私が隆史のことさっさと忘れなきゃ、隆史が余計に苦しむと思うんだ。」
エリカは黙って何も言わなかった。

部活が終わり、エリカと一緒に門を出て帰ろうとすると、そこには隆史とサッカー部の友達がいた。
「あー。あいつだ〜エリカが隆史君に事情きいてきちゃおっかぁ?」
「ううん、いいの。エリカ!さっさと帰ろう。」
「えー。う…ぅん。わかったぁ。」
隆史の顔がまともに見られなかった。見たら涙がこぼれそうだから。
だからもう見たくなかった。隆史なんか、早く私の心から消えてしまえ。。

その夜、隆史の夢を見た。
忘れたいと思えば思うほど、なぜ気持ちは強くなっていくのだろう。。



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