翌日。
私はいつもと同じように、優司からの電話を待っていた。
でも、その日はかかって来なかった。
(優司…。一体どうしたんだろう。何も言わなかったのに…)
だが、今は新入生の仮入期間。
あっちもその対応に追われているのだろう、と思った。
(まぁ、こんな時期だしね。)
そう甘く考えていた。
さらに二日たった。
だが、優司からの連絡はいっこうに無かった。
さすがの私も不安になってきた。
(何で。…優司)
明日こそは、と待ってみるものの、かかってくる気配はない。
ついに我慢できなくなって、優司の友達に聞いてみた。
〈優司が何でかけて来ないか分かる?〉
《何か、春季大会あるからって言ってたよ。来週じゃね?》
その返事がきた時、またかと内心思った。
いつだってそうだ。
周りの人には話してるくせに、私には何も教えてくれない。
はっきり言って、私は彼女じゃないような気がする。
何も知らないのに、彼女って言えるのかな?
それからは、はっきり言ってよく覚えていない。
ただ、どうしようもなく苦しかった。
優司がいないだけで、私は私でなくなるんだなぁと、ぼんやりした頭で考えた。
(私、一体どうしたらいいんだろう…)
私は、優司が大好きだった。
だからこそ、早くかけてきて欲しかった。
光のささない暗闇の中で、一人もがいていた。
優司は結局、かけてこなかった。