ちょっとした一場面

秘密…  2006-07-13投稿
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図書室。
友達のいない私はまた今日も独りで本を読む。
今日は前から読みたかった『itと呼ばれた子』を読んでみる。
━これ、実話なの?
と思うほどの酷い虐待内容
━…

「こんなの━現実にあるわけ?」
パタンと本を閉じ、彼が聞いてくる。
なかったらノンフィクションじゃないでしょが。
私が言うと、
「…マジで」
彼は黙ってしまった。
「いいから早く返して。後で自分で借りたらいいじゃない。図書委員さん。」
そう。今私は同じクラスの図書委員に時間をとられていた。
「もう少し…うわ!ひでえ…うちの親がすごい優しく見える。」
「……」

『キーンコーンカーンコーン…』

「あ…」
「やっべ!昼休み終わり?!あ、本サンキュ。じゃ!」
彼は私に本を返すと物凄い速さで走り去って行った。
━わ、私は置いてきぼり!?

━…

本を抱え、小走りで教室へと急ぐ。さっきの出来事を思い出し、微妙に本を抱く力が強くなる。

━…


私は今日もまた図書室に行く。
大好きな君に会いに。

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