青空のベールに包まれて
今年の春も桜が咲いた
いつもより白く見えるのは俺の心が白いから
彼女の心が白いから
紅葉の季節に俺は消えた
灰になって俺は消えた
俺は別れを言っていない
俺はお礼も言っていない
一番愛した女性なのに
最後に愛した女性なのに
もう一度顔を見たかった
もう一度声を聞きたかったもう一度手を握りたかった
一番愛した女性なのに
最後に愛した女性なのに
何日間も泣かせてしまったたった一人で泣かせてしまった
紅葉が散って冬が来た
鉛色の空から雪が降った
俺の心に雪が積もった
彼女の心に雪が積もった
春になっても溶けなかった俺の心に積もった雪は
春になっても溶けなかった彼女の心に積もった雪は
だって俺達愛し合っているのに
最後のお別れしてないんだ
一番愛した女性なのに
最後に愛した女性なのに
もう一度顔を見たかった
もう一度声を聞きたかったもう一度手を握りたかった
楽しいでーとの別れ際
俺達いつも笑顔でバイバイしてた
家に帰ってからも名残り惜しくてケータイ開けて彼女とメール
「今日は楽しかったね。また行こうね」の言葉の後にハートの絵文字入れていた
一番愛した女性だから
最後に愛した女性だから
もう一度顔を見たかった
もう一度声を聞きたかったもう一度手を握りたかった
一日も早く彼女の心に
赤い色が戻るように
俺は彼女を見守ろう
俺は彼女を支えよう
空に住んでる俺が出来る事彼女を見守り彼女を支え
彼女を包むことなんだ
空色のベールで彼女を包んで
綺麗な花を咲かせよう
だって彼女は…
一番愛してる女性なんだ
いつまでも愛してる女性なんだ
俺が灰になる直前に
彼女がくれた最後のメール「いつか絶対にまた会おうね」
約束するよ「いつか絶対にまた会うよ」
約束するよ
「今度こそ絶対に一緒になろう。二度とお前を泣かさない」
彼女とお揃いの黒い携帯
最後の送信相手も最後の受信相手も…
一番愛した彼女だった
これが俺の生きた証
彼女こそが生き証
〜完〜