ねぇ…大好きなのに。

春樹  2009-04-24投稿
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「もしもし」

春樹が電話にでた。

「春樹?」

私は春樹を呼ぶ声に沢山の気持ちを、詰め込んでいた。

「なに?」

春樹が返事をしてくれる。

それだけで、泣きたくなるほど幸せを感じていた。

「何でもないよ。呼んだだけ」

私は自分の気持ちを押し殺す。

こんなに春樹に惹かれていても、その頃私の全てが亮に支配されていた。

その電話で春樹は、私に逢おうと言った。

だから、私は春樹に逢いに行った。

少しでも、一瞬でも春樹の優しさに触れたかった。

その頃、学校もバイトも辞めていた私。

亮の束縛、友達とも遊ばせてもらえず、自由に家に帰る事も許されない。

そんな私に嫌味を言い続ける母親。

生活の全てが悪循環だった。

それでも、笑顔でいる事を義務付ける亮。

だから、春樹に逢いに行った。

春樹の家に着き、春樹の顔を見ると何だかそれだけで、幸せになれた。

その日、春樹はずっと黙って私の話しを聞いていてくれた。

気付くと、夜中の4時。

私は、春樹がトイレに行っている間に寝たふりをした。

トイレから戻って来た春樹は、私に布団を掛け、私の頭を撫でた。

私は嬉しくて、少しだけ涙が溢れた。

次の朝、私はまだ春樹と一緒にいた。

夕方私が家に帰宅する頃、亮から尋常じゃない位の着信が入ってきた。



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