第三話【ﾐﾘﾃｨｱ】
「少し危ないので下がっていて下さい」
少年は小さく頷き、その場所を少し離れた。
「行きますよ」
ﾊﾞﾛﾝはゆっくりと双剣を手に取る。抜き放たれた刃は鞘と擦れ小さな金属音をたてる。
ｸﾞﾙﾙﾙ･･
目の前の魔物は低く唸り姿勢を低く保ちﾊﾞﾛﾝを睨み付け、跳んだ。
次の瞬間には魔物の体に無数の切り傷が刻まれ、赤黒い血が辺りに飛び散った。魔物は地面に叩き付けられ小さく跳ねた。そしてﾊﾞﾛﾝは魔物を剣で貫いた。
「こんなものです。ケガなどはありませんか？」
ﾊﾞﾛﾝは剣を振り、剣に付着した血を払い、剣を腿の鞘に納めた。
「これで大丈夫です。さて、突然ですがあなたを隣町まで連れてって行きたいと思いますが・・・」
「その前に僕らについて説明しましょう。僕は見ての通り普通の人間ではありません。けれども魔物とかでもありません。僕らはーーーﾐﾘﾃｨｱと呼ばれています」
「ﾐﾘﾃｨｱとはﾏﾅというものを用いて魔物を倒す者を差します。簡単にはこんな感じです」
「さあ、行きましょう。また魔物が集まってきます
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