第四話【真夜中の山道】
岩肌が露出した山道に響く2つの足音。先頭をバロンがその後ろを少年が歩く。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。僕はバロンといいます」
「ディル。ディル・ワーカー」
「ディルか。よろしく」
ディルは小さく頷くと再び山道を歩き始めた。
「それではよろしくお願いします。」
バロンは孤児院の院長に対して深くお辞儀をした。院長の隣にはディルが立っている。
「それじゃあ。また会おう。さようなら、ディル」
ーーー二人の間に結ばれた約束。
その約束はいずれ果たされる事となるだろう。再開の形は彼らが思い描く形とは違うかもしれないが。
『Blanc et Noir 第一章 二人の誓い』より