世界の果て―3―\n

夏姫  2009-04-25投稿
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「こんにちは」

「…何。誰、アンタ」

隼人は自分の背後にいるミニスカの女に、内心の動揺を悟られないようにしながら尋ねた。

「…覚えていないの?」

「だ・か・らっ!お前のことなんかしらねーって!!」

隼人の怒った表情に女はますます困惑した。

「何で…?」

今にも泣きそうな顔に、隼人は面倒な気持ちになった。

「じゃあ、テメーは一体どうやって俺のこと知ったんだよ」

「…今日会ったじゃない」

「はぁ!?」

女のキッパリとした物言いに、隼人の脳内は余計混乱していった。

「…お前に?…いや、絶対に会ってねぇ!」

「だから、会ったんだってば。今日、夢の中で」

「…!!」

その一言で、一気に思い出した。

(そうだ、コイツに俺は会った。…夢の中で!)

赤と黒を基調とした女の子らしい出で立ち。短い金髪に左耳の十字架のピアス。その全てに見覚えがあった。

「…思い出してくれた?」

床に座って上目遣いに隼人を見る。

「…あぁ」

どことなく気まずそうに頷いた。

「…よかった」

ホッとしたように笑う女の子に、隼人は尋ねた。

「お前、名前は?」

「ルミ」

そう言って、可愛らしい微笑みを浮かべた。

「ルミ…」

隼人はその名にも聞き覚えがある気がした。

「なぁアンタ。じゃなくて、ルミ。今日以外にも…、今日以外にも、俺と会ったことあるか?」

「うん、実はね」

「…いつ?」

そう尋ねた途端、ルミは黙ってしまった。

まるで、どこまで離せば良いかを考えるかのように。

「実は…。…あなたが生まれるずっと前から」

「ゼンセ、ってことか?」

「……うん」

信じられないと思う自分と、そうだと信じている自分がいて、隼人の心はざわめいた。

(俺、一体ルミの何を知ってんだ?)

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