わたし、6歳。
わたし、『神童』って言われてた。
勉強できたから。
学校のテストで100点以外とらなかった。
運動神経も抜群だった。
わたしと亜美は学年一のスポーツ万能コンビ。
運動会の学年リレーでも男子を抜いて、二人がアンカーに選ばれた。
ルックスもサイコー。
まさに言うことなしの人生、親も鼻高々。
学校終わったら亜美と二人でいっつも危険な遊びばっかりしてた。
他人ん家の屋根に上ったり、幅10cmの柵の上走って競争、2階の窓から飛び下りる。
今ならできないよねぇ。
家に帰ったらベンキョー、ベンキョー。
ド田舎の小学生がそんなに勉強するか?!って量だよ。
でも、何の疑問ももたずにやるもんだよね、子どもって。
でも、わたしの中で何か黒い塊が少しずつ膨れ上がってた。
わたしの部屋。
こっそり紙に書かれた1行の文。
亜美が聞く、
「何て書いたの?」
「呪いの言葉だよ」
「………」
『育恵 死す』
育恵って、わたしのママの名前…