弟の太一は生まれながらに障害がある…。
極度の弱視で小さいころから分厚いメガネをかけ、
杖を持って歩く…。
幼稚園の時。
「おじいちゃん」とか
「メガネ亀」とかバカにされイジメられていたようだ…。
そんな太一も小学一年生になった…。
黄色の帽子と大きなランドセル…。
とてもかわいく見えた。
年の差、7歳…。
年の離れた弟の手を引き
小学校へ…。
学校でイジメられはしないか、俺はこっそり教室を覗いた…。
太一の姿がない!
俺は探した!
太一は下駄箱にいた…。
上靴を隠されて泣きながら探していたんだ…。
どうして人は個性のある人間をイジメたがるのか…。
怒りが込み上げてきた!
俺は教室に怒鳴り込みに行こうとしたら太一が手を掴み行かせない!
俺がそんな事したら学校に行きづらくなるからか…。
俺の浅くも精一杯の知恵で考えた…。
不良になる事にした…。
リーゼントにブカブカの学ランで太一の手を引いて学校へ行くと…。
その日、以来、太一へのイジメがなくなった…。
俺がグレた理由を誰も知らない…。