奈央と出会えたから。<352>

麻呂  2009-04-26投稿
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聖人は、ユカの話を黙って聞いていた。


そして、あたしも――



『‥‥でもさ、認めたくなかったんだよね。

正直、認めるのが怖かったんだ。

後で1人になってから考えたの。

何故あのトキ、聖人がヒロキを殴ったのかってコトも。

あたし‥もう少しで自分を見失う所だった‥‥。

ごめんね‥‥奈央‥‥ごめんね‥‥聖人‥‥‥。』



今にも泣き出しそうな顔で、



ユカは一言一言噛みしめる様に、



あたし達に話してくれた。



『もぉいいよっっ!!もう何も言わなくていいよっっ!!』


心がボロボロになったユカ。



もぉ見てらんないよ‥‥‥。



チビのあたしに寄り掛かる様にして、



ユカは静かに肩を震わせていた。



ユカ‥‥‥泣いてる‥‥‥‥。





『秋田谷ァ〜。久しぶりに今日は3人で帰ろうゼ!!』



さっきから、黙ってユカの話を聞いていた聖人が、笑顔で言った。



『やだっ‥‥聖人ってば、まだ学校来たばっかじゃん。

帰るには早いよっっ!!』



あたしも笑顔で返した。



『‥あはは‥‥。』


ユカが笑った。



『おぅ。まぁな。んじゃ、3人でサボる?!』



そして、



イタズラっぽく笑う聖人。



『‥‥うぅ〜〜ん‥‥‥?!』



『あはは‥‥奈央ったら。聖人の言うコト真に受けちゃダメだよ?!』



きっと――



『真に受けてるワケじゃないケド‥‥。』



聖人も、この数日間考えてたと思う――


『サボんの?!サボらねーの?!』



聖人は、ユカのコト、見捨てたワケじゃなかったってコト――



『えぇ〜〜?!どうする奈央ォ〜〜?!』



だって――



『あたし達も聖人みたいに不良になっちゃう???』



あなたはいつでも――



『おいおい、何だよソレ。俺は不良なンかよ?!』



『ぷぷぷ‥‥奈央ったらっっ‥‥。』



『分かった!!じゃあサボるっっ!!』


優しいあなたでいてくれるから――



『よっしゃ!!そうと決まれば――』



『あたしミスド食べたい。奈央は?!』


『あたしはアイス食べたい。』



ユカが元気になってくれないと――



始まらないよッッ!!――



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