聖人は、ユカの話を黙って聞いていた。
そして、あたしも――
『‥‥でもさ、認めたくなかったんだよね。
正直、認めるのが怖かったんだ。
後で1人になってから考えたの。
何故あのトキ、聖人がヒロキを殴ったのかってコトも。
あたし‥もう少しで自分を見失う所だった‥‥。
ごめんね‥‥奈央‥‥ごめんね‥‥聖人‥‥‥。』
今にも泣き出しそうな顔で、
ユカは一言一言噛みしめる様に、
あたし達に話してくれた。
『もぉいいよっっ!!もう何も言わなくていいよっっ!!』
心がボロボロになったユカ。
もぉ見てらんないよ‥‥‥。
チビのあたしに寄り掛かる様にして、
ユカは静かに肩を震わせていた。
ユカ‥‥‥泣いてる‥‥‥‥。
『秋田谷ァ〜。久しぶりに今日は3人で帰ろうゼ!!』
さっきから、黙ってユカの話を聞いていた聖人が、笑顔で言った。
『やだっ‥‥聖人ってば、まだ学校来たばっかじゃん。
帰るには早いよっっ!!』
あたしも笑顔で返した。
『‥あはは‥‥。』
ユカが笑った。
『おぅ。まぁな。んじゃ、3人でサボる?!』
そして、
イタズラっぽく笑う聖人。
『‥‥うぅ〜〜ん‥‥‥?!』
『あはは‥‥奈央ったら。聖人の言うコト真に受けちゃダメだよ?!』
きっと――
『真に受けてるワケじゃないケド‥‥。』
聖人も、この数日間考えてたと思う――
『サボんの?!サボらねーの?!』
聖人は、ユカのコト、見捨てたワケじゃなかったってコト――
『えぇ〜〜?!どうする奈央ォ〜〜?!』
だって――
『あたし達も聖人みたいに不良になっちゃう???』
あなたはいつでも――
『おいおい、何だよソレ。俺は不良なンかよ?!』
『ぷぷぷ‥‥奈央ったらっっ‥‥。』
『分かった!!じゃあサボるっっ!!』
優しいあなたでいてくれるから――
『よっしゃ!!そうと決まれば――』
『あたしミスド食べたい。奈央は?!』
『あたしはアイス食べたい。』
ユカが元気になってくれないと――
始まらないよッッ!!――