今日も昼休み
いつものように、非常階段に行くと
すでに女連中はみんな来ていた。
女ばかりの中、男はオレ一人
といっても特に変わった光景でもないが
もうすぐある、体育祭の話などをしていた
体育祭の話しも飽きた頃
「そうそう!
さっき、ここに三井さん居たんだよ」
稲葉が、体育祭の話から
晶の話へ話題を変える
「入って来た時、一瞬ビックリしたよね
まぁ、むこうもビックリしてたけど」
「けど、これはチャーンスと思って、仁先輩との事聞こうかと思ったんだけど
?ごめんね?って、なぜか謝ってすぐ行っちゃったんだよね、惜しかったー」
残念、といった感じの稲葉に、ヒロミが
「三井さんて、クラスでも昌平以外とは誰も話したりしてないんでしょ?
でも、昌平とはすぐ話せたんだし、ただの人見知りとかって訳ではなくて
あまり人と話さないのにはなんかわけがあるんじゃないの!?」
オレもそれはなんとなく思っていた・・
「いきなり仁先輩といい
三井さんて、なんかわけありオーラただよってるよねェ」
「ほんと、さすがのヒロも話し掛けらんないんだから相当だよ!」
最近、ここではよく晶の話題が持ち上がる
まぁ、それも当然だろう
意外にも目立つような行動をするうえに
それを誰も何も知らないのだから、気にもなって、話題にもあがるだろう。
朝
今日もオレは寝坊してしまったため
もう、登校している奴など居ない通学路を一人で歩いていた。
すると後ろからオレを呼ぶ声
「藤本 昌平くーーん」
この声
このフルネームでオレの事を呼ぶ奴、これは晶しかいいない
振り向くと、やっぱり晶だった。
晶は手を大きく振りながらオレの方に向かって走ってきた・・