真夜中なのに外が騒がしい。 レックスは目をこすりながら起き上がった。 レイの家を出るとそこにはレイと村長、それと村人と思われる数人の男達が立っている。 レックスは男達をかき分けレイの所まで歩いた。 「何があったんだ…?」と言いかけたとき誰かが大きな声で言った。 「おぉ、クソガキ!やっと見つけた。」 聞き覚えのある声、ブルミオ兄弟だ。そのまわりには数人の兵士らしき人間がきれいに列をつくりならんでいた。 「ブルミオ、ガキのほうは殺せ。女は生け捕りだ。」 「分かりましたリッパーさん。」 初めて見た顔だ。だがその男の服装には見覚えがある。地下で見た長身の男の服装と同じだった。 「立ち去りなさい。この村の人間は帝国の人間を受けいれない。」 村長が声をはりあげ言った。 「じじい、黙ってろよ。ちょっと用があるって言っただろ?すぐに出ていくから。」 リッパーはニヤリとして言った。 「レックス!何があったんだ!?」 ハウィーとフィーが家から出てきた。 「あぁ、これで3人集まったな。」 リッパーはそうつぶやきながら腰に下げてある剣を抜き、ゆっくりとこちらに向かってきた。 ブルミオ兄弟と兵士達も武器を手に取りこちらに向かってくる。 レックス達も剣を抜いた。 「3人をお守りしなさい」 村長がそう言うと村人達も武器を構えた。 レイがリッパーに向かって走り出しレックスとハウィーもその後につづいた。 レックスはブルミオ兄に切りかかった。 最初にあったときと違い体力が回復したことで体が軽い。やはりブルミオ兄弟の動きは遅く攻撃をよけるのは簡単だ。 「クソ!ちょこまか動くんじゃねぇよ!」ブルミオ兄がうなる。 鎧は固かったが何度も攻撃を加えるとダメージを与えることができた。 ブルミオ兄の足がガクガクと震えはじめ倒れた。 レックスはジャンプしブルミオ兄にとどめをさした。 「ぐ…うぅ…」 ブルミオ兄は低くうなり声を上げたあと動かなくなった。 レックスは周りを見渡す。どうやらちょうどハウィーもブルミオ弟を倒したようだ。 だがリッパーと戦っていたレイはヒザをつき、息が荒くなっていた。 レックスとハウィーは急いでレイのもとに駆け寄った。