「田神くんって、都市伝説とか七不思議とか好きなんだね?」
図書室から教室までの廊下を歩きながら、桜と直史は話していた。
「うん。でもオタクって言われるんだよね…」
「へぇ…」
桜は直史から借りた何度も読んだであろうという様子がよく見える本を見た。
「やっぱり…うちの学校にも七不思議ってあるのかな…?」
桜が直史に言った。
「あるらしいね…何年かまえの卒業生の卒業文集に七不思議について書いてあったんだ。でも…七つ目だけページがやぶられてて、わからないんだよね…。」
「図書室の一番奥に文集って置いてあるんだよね?」
「そうだよ、でもあんまり読む人はいないみたいだけどね。」
2人が顔を見合わせて笑うと、校舎の桜たちの教室の窓から1人の生徒がみを乗り出して桜を呼んでいた。
「月島さーーん!宿題見せてー!」
「はーい!ごめん田神くん先に行くね?本ありがとう!ちゃんと返すからね!」
桜は直史に手を振ると教室に向かって走り出した。