エルファ・人形残酷物語17

ぐうりんぼ  2009-04-28投稿
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 ボックルが言う。

「ワシらの命令は絶対じゃ。どんな理由があっても拒否する事は出来ん」

「拒否出来ないとなれば、エルファは逆ギレして子供たちを1体残らず…
 殺してしまう可能性も否定出来ません」

 唖然とするボックル。

「そんな事、ないじゃろう?」

「エルファなら、やりかねません。子供1体を踏み殺しておいて、平気な顔をしてますからね」

「じゃあ、どうする?
 もうしばらく、様子でも見るか?」

「そうですネェ…」

 どうやら今後、この線でエルファとの対処法を進める事になりそうだ。

 この時だ。

「ジャックぅ〜」

 誰かがジャックの背中に抱き付いて来た。

 振り返ってみると、エルファと同じ背丈の女性の人形の姿があった。

 栗色の長い髪に小さめな顔、やや細眼の…

 ちょっと、不良っぽい感じのギャル系だ。

「なあーんだ、ルーシーじゃあねえか」

 笑顔になるジャック。

 人形協会で働く人形ルーシー。

 スザンヌの所属する人形生活課の1人である。

「久しぶりねジャック! 元気だったァ!?」

 ルーシーはジャックの前に回って膝に飛び乗り、抱き付く。

「こらルーシー! 今は大事な話し合いをしてるのよ、あっちへ行ってなさい!」と、スザンヌが注意するが…

「イイじゃなーい!
 久しぶりにジャックに会えたんだからァ!」

 人間の友達であるジャックの顔が見れて、ルーシーは上機嫌なのだ。

「しょうがないわネェ」

「仲がイイわい」

 スザンヌもボックルも、厳しくは注意しない。

 ジャックはルーシーにとっては、命の恩人。

 よき理解者なのだ。

 こうやってハシャぐルーシーも、任務の時は別人のように行動する。

「ルーシー、久しぶり」

「マルシア様も」

 マルシアの頬にキスするルーシー。

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