「おーーー、おはよーー」
かなり前から走って来たようで
かなり息をきらせている
晶も、オレ同様
今日もまた寝坊したらしい
まだ少し息をきらせいる晶と、学校に向かって歩いていると
途中、電柱の後ろあたりから
?ミー ミー?
子猫の泣き声が聞こえてきた!
見ると箱に入った黒ネコと、茶色のミケネコが二匹
捨てられてしまったんだか
?お腹が減ったよー?
とでも言うかのように泣いている
「捨てられてちゃったのかなぁ・・」
晶はその二匹のネコを
とても悲しげに見つめている
あまりにも悲しげに
二匹のネコを見ている晶の顔を見ると
なんとかしてやりたい
と、思うものの
オレの家はアパートだから飼えねェしな・・
困っていると、晶が
「そうだ!
この近くにあまりひとけのない公園あるよね?」
まだこの辺りにはあまり詳しくない晶が、オレにそう聞いてきた
「あー!あるよ」
「ここじゃあ車も通るから危ないし、とりあえずあそこの公園に連れて行ってあげる!」
晶は迷わずその二匹のネコが入った、段ボール箱を持ち
立ち上がった
「藤本 昌平君
先学校行ってていいよ」
あそこの公園は本当にひとけがないし
晶一人を行かせるのは心配だ
それにオレもこれから授業をうけるより、晶と一緒に行きたい、という気持ちが大いにあり
「オレも一緒に行くよ!」
「えっ?いいの?」
意外だったのか少しビックリした顔をしながらも
「やっぱり優しいね
藤本 昌平君は
ねっ、クロとミケ」
二匹の顔を見ながら言っている
「ってか、おまえ、いつの間に名前つけちゃってんの?」
「今!!
いい名前でしょ?」
「見たまんまじゃん」
なんだかとぼけてて可愛い奴だ・・