好きと言えなくて…(14)

優風  2009-04-29投稿
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・新年も明けて新しい年が始まった。昨夜は除夜の鐘をつく為、お寺に一番近い距離にある弘昌の家に大介とお邪魔して紅白歌合戦を見ながら年越しそばを頂き、夜の十一時にお寺に出向いた。お寺には沢山の人達が来ていた。その中に美香の姿を見つけた。弘昌は“なんか話してこいよ”と僕の肘を突っつきながら言ったが僕は“別にいいよ”とぶっきらぼうに言った。そんな僕を見て“へたれだなぁ”と二人が顔を見合わせて言った。

・それから順番を待って鐘をついておみくじを引き、絵馬を買って願い事を書いて飾った。おみくじは“吉”だった。それから弘昌と別れ、途中まで大介と一緒に夜道を自転車で帰った。

・「年賀状が来てるわよ」
朝、起きた僕に母の幸が年賀状を手渡してきた。送られてくる年賀状はいつものメンバーからだった。その中の一枚に智美からの年賀状もあった。かわいいイラストつきでおまけに“チョコレートあげるね”とまで書かれていた。智美に対しては完全に恋心はなかったが昨年もくれた事から、“きっと義理チョコだろうな”と思いつつも正直、それを見て素直に嬉しかった。
・今年は親からお年玉をもらえなかった。爪に火をともしてか家計がピンチなのか分からなかったが少し文句を言ってからお年玉をねだるのを僕は諦めた。夕方から家族で親戚の家に行き、そこで初めてお年玉をもらった。大した金額ではなかったが素直に喜んでお礼を言った。それから皆で正月番組を見ながら用意された正月料理を口にした。



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