季節は巡り、夏祭りの季節になっていた。
あれから理沙は毎日元気に登校している。
理沙には中野がついてる。
私は…と言うとあれ以来、中野ともきまづいし…
久遠とも表面上の委員だけで、目も合わさない…
このままじゃ嫌だとは思うけど…どうしていいか答えなんて出ない。
「千夏ちゃん聞いた?」
「何が?」
「夏祭りの伝説!」
桜が嬉しそうに話す。
「夏祭りの夜、一緒に花火を見た二人は赤い糸で結ばれているらしいよ」
「桜は、本当に好きね…」
「だってすごくない?赤い糸だよ?」
桜のこういうところが可愛いし、癒される。
「ならあの人と見ないとね」
「もちろん!千夏ちゃんはどうするの?」
「私は…」
誰とも赤い糸つながってない気がする…
「私は委員だから当日も色々仕事があるの」
「え〜じゃぁ理沙ちゃんもだよね?」
「多分ね」
でも忙しいぐらいで丁度いい感じ…
理沙は…もう久遠のことはふっきれたって言ってたけど…
「千夏ちゃん…あの人…」
教室がなんかざわめきたっている。
桜が指差した先には満面の笑みで手をふる彼の姿が…
「ただいま〜千夏」
ん?ただいま?
どういうこと?
「どうしたの?」