真っ直ぐでも正直でも
人は救われない
人は救ってはくれない
優しさの数だけ優しさを返されるとは限らない
報われない想い
じゃあなぜ先生は子供たちに教えるの?
「素直でいい子になりなさい」だなんて
それじゃ世の中生きていけない
綺麗な心のまま育って大人になってから傷つくよりはよっぽど
最初から真実を私たちに
でもねホントはわかってるンだ
「きれい」を教えられるのは子供のうちだけだから
そのうち嫌でも騙すことを覚えるから
戦うことを覚えるから
だからあえて子供たちには「ウソ」を
与えて考えさせて矛盾に悩ませて脳ミソを発達させて
うまく大人へなれるよう仕向けているんだ
だけどさ
大きくなった私は
やっぱりまだ苦しんでいるんだよ
優しさとエゴの距離が測れなくて
他人に自分と同じものを求めて
真っ直ぐには真っ直ぐさを
正直には正直さを
馬鹿だなあって
やれやれと息を吐く
重くて苦しい息を吐く
どこまでやれば正しい人間になれるだろう
そもそも正しい人間とは何だろう
人に親切な人間だと思われるにはどうしたらいいんだろう
本物の優しさはどう使い分けたらいいんだろう
誰と仲良くすればいいだろう
誰が正解で誰が不正解なんだろう
類は友を呼ぶとゆうけれど
優しいあなたにタカるそいつはあなたの真の友ですか?
いつもわからなくて
相変わらず手探りで
でもきっとみんな同じだよね
寂しいから独りになりたくなくて
必死でいい人ぶってでも本当の「いい人」にもなりたくて
たまにエゴに悩んで
返ってこない親切に怒りを爆発させて
人間同士ってむつかしい
でも支え合って騙し合って生きていかなきゃならないから
いつだって報われない想いが
この胸を締め付ける
――ねえ先生
やっぱり「いい子」は要らないです
「うまく生きれる子」になる方法を教えて下さい
教えてあげて下さい
これからの子供たちに……。