―――――キーンコーン…
HR開始を知らせるチャイムが聞こえる。
『ちょっと待てってばーーーー!!!』
バタバタと下駄箱からうわばきをとりだして
慌ただしく履き替える。
『あーもうっ!』
うわばきをスリッパのようにはいて、
僕はダダダダダっと下駄箱から屋上に向かって駆け上がった。
バタンッ!!!!
――……まぶしい
屋上のドアを開けた途端に、光が目にとびこんできた。
『あ。ブンが来た。』
ユキは、足をぷらぷらさせながら笑っている。
よかった。
昨日と同じだ。
今日見た夢のせいか、僕は不安だった。
ユキがいないような気がしたんだ。
でも、今日もユキは足をぷらぷらさせながら笑って僕を見ている。
『おはよ。』
『また遅刻?』
『うん。』
あはは、とふたりで笑ってから、
『今日でブンと会ってから3日目だね。』
とユキが呟いた。
『んー?』
僕は生返事をして、フェンスに寄りかかる。
ユキは少しうつ向いた。
僕は少し不安になった。
似てるんだ。
夢の中のあの雰囲気と。
ユキは、そっと口を開いた。
『あたしね、あした死んじゃうんだって。』