あしたなんていらないから?

あめの  2006-07-14投稿
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―――――キーンコーン…



HR開始を知らせるチャイムが聞こえる。



『ちょっと待てってばーーーー!!!』



バタバタと下駄箱からうわばきをとりだして
慌ただしく履き替える。


『あーもうっ!』

うわばきをスリッパのようにはいて、
僕はダダダダダっと下駄箱から屋上に向かって駆け上がった。




バタンッ!!!!






――……まぶしい




屋上のドアを開けた途端に、光が目にとびこんできた。




『あ。ブンが来た。』



ユキは、足をぷらぷらさせながら笑っている。




よかった。


昨日と同じだ。




今日見た夢のせいか、僕は不安だった。

ユキがいないような気がしたんだ。



でも、今日もユキは足をぷらぷらさせながら笑って僕を見ている。



『おはよ。』
『また遅刻?』
『うん。』



あはは、とふたりで笑ってから、


『今日でブンと会ってから3日目だね。』



とユキが呟いた。



『んー?』



僕は生返事をして、フェンスに寄りかかる。




ユキは少しうつ向いた。


僕は少し不安になった。






似てるんだ。



夢の中のあの雰囲気と。



ユキは、そっと口を開いた。





『あたしね、あした死んじゃうんだって。』

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