永遠に愛しい・・27

しゅーり  2009-05-01投稿
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オレが段ボール箱を持ち
晶が自分のカバンと、オレのカバンを持ち

オレ達は公園へと向かった
途中、コンビニで
牛乳と、キャットフードを1缶買った
二人のありったけの小銭を合わせても
それだけしか買えなかった。

二匹のネコの腹を少しでも満たせてあげたいらしく
晶は、さっきより急ぎ足になり
オレより何メートルか先までサッサと小走りして行った!
かと思うと
振り向いて

「道わからなかったんだ」
と、首をかしげながら
またとぼけた事を言っている

「おまえ、道わかんねェなら、オレの後ついてこいよ」

晶は、わざわざオレの所まで、また小走りに戻って来て

「ハイ!一生ついて行きます!」

「アホか」

ほんと訳わかんねー女だけど
なんかいちいち面白い

また、ろくに道も知らない癖に、気ばっか焦って
オレを越して何メートルか先まで行っては
またオレの横に戻ってくる晶を横にして

なんだか
こいつと居るのって
ほんと飽きない、っていうか面白過ぎる
そう思った。


ひとけのない公園の
更に人目につきにくい場所に、二匹のネコ・・いや
クロとミケを、箱に入ったまま置いた

「今、私と藤本昌平君の
なけなしのお金で買った
牛乳とごはんあげるからねー、ちゃんと残さず食べるんだよーー」

公園の入り口辺りに
たまたま落ちていた、発泡スチロールのトレイを
公園の中にある水道で洗い、そこに牛乳を入れ
キャットフードは、買った物を入れていたビニールの袋の上にだした。

やっぱりお腹を減らしていたようで
クロとミケは我が先といったように食べ始めた

しばらくそんな
クロとミケを
黙って眺めているオレと晶
すると晶が、口を開いた

「なんかこのネコ達
私と藤本昌平君みたい」

「へっ?・・」

「ミケが藤本昌平君
ほら、この茶色がまじったところ
藤本昌平君の髪みたいでしょ」

たしかに、オレの髪は茶色のメッシュを入れて染めてある

「で?クロがおまえなのはなんで?」

「黒ネコを見たら、3歩下がらないと嫌な事がおきるっていう迷信、聞いた事ある?」

「まぁ・・なんとなく聞いた事ある」

「なんだか
嫌われ者で、厄介者って感じでしょ・・?」

晶は淋しげな目をして
クロを見つめながら、そう言った・・



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