でも生まれたてのころはそのピースがフニャフニャなのだ。だから小さい子供は誰とでも遊べる。それが大きくなるにつれて冷たい世界で冷やされたり温かい世界で溶かされたりして形を決めていくんじゃないかと思った。そして今はほとんどが固まってしまってるんだけど理想と違っていてもがいてるんじゃないかと思う。つまりあたし達が幼稚園で遊んでたのはピースがやわらかかったからで小学校高学年で衝突したのは小学校低学年の時に育った各々のピースがなかなか上手くはまらなかったせいじゃないかなと思う。だけどあの時あたしは逃げずに菜々子についていった。菜々子もそんな馬鹿なあたしを友達として認めてくれた。そして気付いたらあたしと菜々子は無理に形を変えなくても上手くはまるピースを持ち合わせていた。だからあたしは菜々子といる時が一番心地いいよ。でもこれから大人になるにつれて無理にピースの形を変えて他人と付き合わないといけない場面だってたくさんあるはずだ。だけどそれに疲れたら菜々子のとこに帰るよ。だから菜々子もそうしてね。高校に入れば今みたいに頻繁には会えないだろうけど菜々子があたしの一番の友達って事は、もう覆せない事実だから。これから先も、ずっとね。