なくしたモノ[10]

優愛  2009-05-02投稿
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「つまんないヤツ。」

呆れたように言う先生。
「興味はありますけどね。」
からかうように笑った。
「何、それ?」
また苦笑いだ。
「別に?。」
気にもとめずに用紙にクラスと氏名を書いて差し出した。



「なんか具合治ったんで
もう戻ります。」
先生の顔は
そういえば見なかった。



でも
話してたら本当に楽になったから。
あそこの雰囲気は
あたし好きかも。



薬品の匂いと
茶色い瞳。



男の人と話すの
なんだか久しぶりな気がした。

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