それは突然のことだった。
僕はいつものように家の近くの商店街を歩いていたんだ。
若林翔 13歳 中1
こんなに寒気がするほどの恐怖を感じたのは初めてだった。
僕はそれを見た瞬間、身体が凍りついた。
身体が透き通った5歳くらいの男の子が、車のおもちゃを持ってじっと立っている。
そして通行人がその子をすり抜けて歩いていく。
どうやら見えているのは僕だけのようだ。
僕は恐怖でしばらくその場から動けなかった。
だが、それはどうやら現実の出来事のようだ。
受け入れなくてはならない。
そう思った瞬間、僕は何を思ったのか、その子どもを携帯の動画に収めようと思った。
もしかしたら、動画なら他の人にも見えるかもしれないと思ったからだ。
嫌な予感はしていたが、撮ってみた。
僕はそれを確認することなく携帯を閉じ、すぐにその場を立ち去った。
家に着いて、僕はまずこの事を弟に話した。
勿論信じてはもらえなかった。
僕は携帯のことを思い出し、弟に動画を見せた。
弟は何も見えないと言う。
僕はおかしいなと思いながら確認してみた。
そこに映っていた映像を見て、僕はまた恐怖の余り動けなくなってしまった。