バヒュウン!!
キキィィィィ!
バイクは、激しく止まった。
「着いたぞ。」
目を開けてみる。まぶしい光が目に入った。
「う・・・」
光のせいで目が見えなかった。
しかし、だんだんと目が慣れ、龍一は自分がいる場所をまのあたりにした。
「ようこそ、『ホーム』へ。」
咲坂は棒読みで龍一を歓迎した。
「すご・・・!」
すごいの一言では言い表わせる物では無かった。
着いた空間はだだっ広い部屋で、壁や天井が鋼色に輝いていた。
それ以上に驚くべきは、その部屋に平行に並んだ、幾つもの道・・・とゆうか、それはボウリング場の『レーン』にしか見えなかった。
そのレーンの一番手前に龍一達のバイクは止まっていた。その横一列、綺麗に同じバイクが何台も何台も並んでいる・・・。
パッと見では、『バイクでピンを倒すボウリング場』のような感じだった。
「どうした?早く来い。」
龍一がキョロキョロしている間に、咲坂はバイクを降り、広い部屋の片隅にあるドアの前まで来ていた。
「あっ、ああ。」
慌ててベルトを外し、龍一はバイクを降りて小走りでドアまで来た。
シュン
大きな自動ドアを抜け、龍一は咲坂の後について白い通路に出た。
(すげぇ・・・どうゆう作りになってんだ、ここ・・・?)
『ホーム』の構造も特殊であったが、他にもめずらしいものがたくさん有った。「ブリーフィングルームに行く。ついて来い。」
歩きながらも、キョロキョロとあちらこちらに目がいき、視線が定まらない。
(見たこと無いもんばっかだな!ここ。)
当初の目的を忘れ、龍一は不覚にも胸が高鳴った。
幾つも枝分かれしている真っ白な通路を、咲坂達はブリーフィングルームに向かって歩いている。
はずだった。
「『ホーム』の通路は複雑に入り組んでいる。はぐれずにちゃんとついて・・・」
咲坂は後ろを見た。
「こ・・・」
後ろには、誰もいなかった。