そこに立っていたのはかつて共に技を磨きあった仲間龍ケ崎 阿久〔リュウガサキ アク〕だった。
久しぶりだな。刃。
ああ、ほんとだな。どうして、お前がここに?
ふっ、そんなことはどうでもいい!
どうせ、お前は死ぬんだ。
どういう事だ?
俺は、代官の息子に雇われお前を殺す任務を受けた。逃げるなら、逃げるがいい。
だが、俺はどこにいようがお前を殺す!
今日の夜12時に行く。
そう告げると阿久は何処かに消えた。
待て、阿久!
刃の声が虚しく響いた。
夜12時、約束の時間に阿久は現れた。
どうしても、戦うのか?
ああ。
阿久はクナイを投げた。
刃は即座に反応し、手裏剣でクナイを全て打ち落とした。
だが、その瞬間 刃の胸に血が流れた。
ちっ、急所を外したか。
お前、阿久じゃないだろ!
ふっばれたか。そこにはあの時の女がいた。
阿久になれば、お前は斬れないと思ったんだよ。
その時、女の首は地面に落ちた。
俺は、女を斬りたくは無いが阿久を利用するやつは許さない。
後、阿久はもういないんだよ!
ちっ、深く刺しやがってもうだめだな。
死んでこそ、真の美そう言うと自分の胸に刀を刺した。
死ノ美、終!