そして、クロを抱き上げると
「クロ〜
頑張って生きるんだよー」
まるで自分に言っているかのように
クロに頬を当て
ギュッっと抱き締めた。
そして、ミケの方も抱き上げ
クロとミケを
ジ〜〜っと見てたかと思うと突然
「改名ーー」
と言って立ち上がった!
本当に訳わからない女だけど
オレはそんな訳わからないところにいい加減慣れてきた
と言うか
次はどんな訳わからない事を言うのか
楽しみでさえあった。
「クロとミケを改名?」
一応そう聞き直す
「そう!
凄くいい名前思いついたの!」
「っていうか
改名はえーっ
まぁせっかくだから聞いてやるか
で?今度はどんな名前?」
あまり期待はしてないけど、というように聞くオレの反応など気にする事なく
晶は
「ひーちゃんと
にち君!!」
今さっきまでクロだった方を見ながら、ひーちゃん
ミケだった方を見ながら、にち君
と、言いながら
「どう?」
と、オレの方に顔を向け聞いてきた
微妙な気持ちのオレではあったが
とりあえず答えた
「さっきとは違って
あまりにも見たまんまではないけど
なんか意味があんの?」
すると晶は、よくぞ聞いてくれました
と言わんばかりに
「今発見したんだけど
ひーちゃんの方はメスで
にち君の方はオスなの!
だからやっぱりこのネコ達は、私と藤本昌平君みたいって思ってさ!」
なんだか凄く嬉しそうな晶
多分
顔には出さないが
それ以上に嬉しいオレ
仁先輩
という存在が少しは頭によぎったものの
今のこの時間のオレと晶は
まるで付き合いたての
恋人同士のようだった。