〜第一章〜
春も、あっという間に終わりなんとも言えない気候の中、今日も数学がある〜。とか、げっ!今日あたるんだった、答え見せてもらお〜。とか、まぁ普通に日々がすぎる。
俺は、いつも同じように、元気いっぱいの少年を演じ、つまらない日々を送っていた。
小学生を卒業してからとにかく、俺は他人とズレを感じるようになった。
他人が感じているだろう事と、同じように感じれないのである。
一度、自分の心を暴露したけど、他人は冗談だと、とったのだろう、
「うわ、その冗談きっつー。」
と、自分を否定されてしまった。
それ以来、俺は“自分”を出すことがなくなった。
でも、多分、心のどっかでは、自分を救ってくれる人を待っていたと思う。
だから、彼女と出会えたことは、偶然とは思いたくはない。
彼女と初めて会ったのは、入学式の後で、クラスに行く時で、なんと彼女は、俺の前で盛大に、ブっこけやがった。
流石の俺でも、助けてあげた。と、いうか、俺のキャラが崩れちゃいけないから助けた。
「あの、大丈夫?」
(元気いっぱいの少年に見えるように。)
「あ、はい大丈夫ッス」(・・・・・・ッス?)
「えっと、大丈夫ならよかったよ、それじゃ!」 この女といるとなんかヤバい。
そう俺の危機察知レーダーが告知していたからとりあえず逃げることにした。
「あ、えっと、ありが・・・・・・・・・」
足早に去ったから、最後らへんの方はよく聞き取れなかったが、まあ大丈夫だろう。
それが、初めての出会いだった。