「あれから松本って奴と上手く行ってんの?」
「え、私まだ松本と上手く行った事は言って…」
先輩はかすかに微笑を浮かべながら、
「初めてあの時計見た時にな、
お前が公園で一年の男子に告ってるトコが浮かんだんだよ」
じゃあ、三浦さんが言ってた事は本当だった!?
「あの…、それって未来が見えたって事なんですか?」
「まあな」
じゃあ…
だったら…
「あの、一週間後、暗い路上で、
私と松本が何してるかって、分かりますか?」
「さあな?やってみるか!時計は?」
私はポケットをあさる。
あれ?無い…。
あ!そうだった!!
三浦さんに渡したきりだった。
「忘れちゃいました」
「はぁ?何してんだよ」
笑ってる。
輝いてる。
!!!
松本が向こうから歩いて来る。
そうだ、この先は私が真実を知った場所…。
私は顔を伏せた。
…ん?待てよ?
これって、むしろ分かった方がいいんじゃ?
私は無理やりでも、楽しくしている様に見せた。
「先輩って彼女いるんですか?」
「まあな。同学年の水城 希未って奴」
水城先輩と言えば、
噂で聞いた話だと、
あの「クールビューティー」で名を広めている?
「えっ!!写メ見てみたいです」
どういう人なんだろ?
「プリなら携帯に入ってるけど」
先輩は銀やら金やらの、
ストラップがついた携帯を取り出した。
「これ」
「すごっ!」
私は思わず声を出した。
顔は二十歳に見える位に大人びていて、
髪型は黒くてショートヘアー。
まさに女子憧れ。
「こんな風になれたらいいのに…」
「じゃあ、明日2A来いよ」
「えっ、いいんですか」
私は目を輝かせた。
「希未だって嫌じゃねーだろ」
私はまたしても礼を言った。