「じゃぁ、舞は利用された。ってことか?」
「あぁ。そぉゆーことになるな・・・」
と、源二は言った。啓吾は、右手を強く握った。
「ゆるさねぇ・・・っ」
啓吾は床をにらみつけながら言う。
「落ち着け、啓吾。それより、晶の居場所は分かるか?」
龍華は冷静に啓吾をなだめ話し出す。
「あぁ。最近入った情報だ」
と、言って源二は地図を見せる。啓吾達は源二の近くに集まる。源二は海の真ん中あたりにある島を指差して言う。
「ファーベル島・・・。この島に晶の別荘がある。そこに居るはずだ」
「よっし!早速その島に行ってアイツをぶったおして・・・」
と、勝手な発言をする啓吾に龍華はまたしても頭を殴った。
「うがぁぁぁぁっ・・・!!」
「馬鹿・・・」
凛は小さな声で言った。
「馬鹿か御前は!今の俺らじゃアイツには勝てん!」
「はぁっ?!」
啓吾は、頭を押さえながら言う。
「僕らには戦える人が少ない。だからダメなんだ!」
「じゃぁ、今翔達を連れてきて・・・」
「だから、ダメなのっ!!」
と、怜はうんざりしたかのようにため息をついてから話し出す。
「戦えるからといっても、記憶が戻ってないといけない。今の2人は足手まといなの」
「足手まといって・・・、記憶がそんなに大切なのかよ!」
「あたりまえだ。今の状態で戦っても、昔のような力はでない。記憶が戻ってこそ実力が出るんだ。あの2人は連れて行けない。戦力が無い今の2人はハッキリ言って足手まといなんだよ」
龍華は、きっぱりと言う。
「でも、2人は俺達と一緒に戦ってきた仲間だろ?なのになんで・・・」
「いい加減にしろ!啓吾」
隣にいた源二が啓吾に向かって怒鳴りつける。
「いくら仲間だったとはいえ、あいつらは戦える状態じゃない!本当に仲間だったんならそのくらい分かれよ!」
「啓吾・・・、町の人達を救うにはそれしかないんだよ・・・」
怜は静かに言った。怜の目には涙がたまっていた。
「啓吾君・・・、分かってくれ」
藻は悲しそうな顔をしていった。
「そんなの受け入れられっかよっ!!」
と、言って啓吾は駆け出した。
「啓吾っ!!」
凛は啓吾に向かって叫んだが啓吾は立ち止まらずに建物から飛び出していった。