エルファ・人形残酷物語19

ぐうりんぼ  2009-05-07投稿
閲覧数[378] 良い投票[0] 悪い投票[0]

 ルーシーも交えて、一同の話し合いは続いていた。

「エルファの事で、かなり大変みたいね?」

 ルーシーはガーレットから、エルファの最近の様子を聞いていた。

「ルーシー、おぬしの意見を聞かしてくれ」

「OK」

「ルーシー、エルファを知っているの」と、マルシア。

「人形学校では同じクラスだったから」

「まあ、初めて知った」

 人形学校…

 新しく作られた人形が生きて行く為に、必要な知識や社会のルールを学ぶ人形教育施設である。

 エルファもマルシアの所へ来るまでは学校に通っていた。

 …のだが。

 ルーシーは学生時代の事をマルシアに話し聞かせた。

「エルファって勉強嫌いで、よく授業をサボっていた。街の不良人形たちと遊んでばかりいたし」

「でもあのコは、人形学校ではトップの成績だったみたいよ?」

「誰が、そんな事を?」

「あのコが自分で、自慢してたけど?」

 ルーシーは大笑い!

「相変わらずネェ、あのコって!」

「実際はエルファ、成績はどうだったの?」

「トップなんて大嘘。
 成績は悪かったし、あのコ…途中で学校辞めちゃったんだから」

「辞めた!」

 スザンヌが補足説明する。

「と言うより、協会側の判断で退学処分になったと言ってイイでしょう」

「んまァ」 

 呆れ顔のマルシア。

 ジャックが質問する。

「じゃあなんでエルファは、成績トップだなんて嘘ついたんだ?」

「自分の本当のプロフィールを、大嫌いな人間に知られたくないからよ」

「人間嫌いは仕方ないけどよ、なんで素直に自分を見せないんだ?
 恥ずかしい事かな?」

「気取り屋で、プライド高いエルファにとっては恥ずかしい事なの」

「バカなヤツだ。
 かえって、損するだけなのに」

 ルーシーは苦笑い。

「実際、損してるわ。
 口では偉そうな事を言っても何も出来ない。
 素直じゃないから、誰もあのコを相手にしなかったのよね」

「友達とか、彼氏とかはいなかったんだ?」

「うーん私以外に…

 そうねェ…

 確かァ…

 ディックって言う男人形と付き合っていた」

「街の不良人形たちのリーダーだったわね?」
 と、スザンヌ。

「しかも、人間に対しても暴力振るう札付きの極悪人形」



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ぐうりんぼ 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ