ルーシーも交えて、一同の話し合いは続いていた。
「エルファの事で、かなり大変みたいね?」
ルーシーはガーレットから、エルファの最近の様子を聞いていた。
「ルーシー、おぬしの意見を聞かしてくれ」
「OK」
「ルーシー、エルファを知っているの」と、マルシア。
「人形学校では同じクラスだったから」
「まあ、初めて知った」
人形学校…
新しく作られた人形が生きて行く為に、必要な知識や社会のルールを学ぶ人形教育施設である。
エルファもマルシアの所へ来るまでは学校に通っていた。
…のだが。
ルーシーは学生時代の事をマルシアに話し聞かせた。
「エルファって勉強嫌いで、よく授業をサボっていた。街の不良人形たちと遊んでばかりいたし」
「でもあのコは、人形学校ではトップの成績だったみたいよ?」
「誰が、そんな事を?」
「あのコが自分で、自慢してたけど?」
ルーシーは大笑い!
「相変わらずネェ、あのコって!」
「実際はエルファ、成績はどうだったの?」
「トップなんて大嘘。
成績は悪かったし、あのコ…途中で学校辞めちゃったんだから」
「辞めた!」
スザンヌが補足説明する。
「と言うより、協会側の判断で退学処分になったと言ってイイでしょう」
「んまァ」
呆れ顔のマルシア。
ジャックが質問する。
「じゃあなんでエルファは、成績トップだなんて嘘ついたんだ?」
「自分の本当のプロフィールを、大嫌いな人間に知られたくないからよ」
「人間嫌いは仕方ないけどよ、なんで素直に自分を見せないんだ?
恥ずかしい事かな?」
「気取り屋で、プライド高いエルファにとっては恥ずかしい事なの」
「バカなヤツだ。
かえって、損するだけなのに」
ルーシーは苦笑い。
「実際、損してるわ。
口では偉そうな事を言っても何も出来ない。
素直じゃないから、誰もあのコを相手にしなかったのよね」
「友達とか、彼氏とかはいなかったんだ?」
「うーん私以外に…
そうねェ…
確かァ…
ディックって言う男人形と付き合っていた」
「街の不良人形たちのリーダーだったわね?」
と、スザンヌ。
「しかも、人間に対しても暴力振るう札付きの極悪人形」