「ウィアンッ!! ミャーミャーッ!! ミャーミャーッ!!」
部屋の扉に向かって、キディは泣き叫んでいた。
ママに投げつけられて、片足を挫いている。
それでもキディは、足を引きずりながら歩く。
そんな我が子の苦しみなんか気にも止めず…
エルファはディックとの電話に夢中だった。
「エルファ、そろそろ結婚しねえか?」
ディックの意外な言葉である。
「マア、ケッコン!」
「オレの方も大体落ち着いて来たし、いつでもお前と一緒に暮らしたいと思ってるんだ」
「ウレシイワ。アナタト、ケッコン、デキルナンテ、ユメノヨウ」
「問題はガキだな?
お前んトコ、30体もいるんだろう?」
「カズハ、オオイイシ。 バカ、バッカリデ」
コラ、お前が言うな。
「テキトーにイイのを選んでよ、後は棄てるか殺しちまえよ?」
おい、コラ!
随分と残酷な事を平気で言う男人形だ。
何とエルファは…
表情変える事無く、淡々とした口調で言った。
「イイワ、ディックノ、ハンダンニ、マカセル」
「むさ苦しい人間どもの所から離れてよ、オレたちだけで暮らしてえ。
ガキなんて、ほんの少しで十分だ」