14話『過去の恋愛…。』
私は考えていた。
これからの事を…。
ちょっとすると、シンさんが心配そうにやってきた。
アラタに頼まれて来たらしい。
シン『アラタが代わりに側にいてやってくれってさ。
おっちゃんでよければ話相手になりやすぜぃ!』
シンさん、そんな言い方じゃあ余計に涙が出るよ。
私はシンさんの声を聞いて安心したせいか一気に涙が溢れ出て止まらなかった。
いずみ『シンさん優しすぎ。ズルイよぉ。』
シン『だから俺に乗り換えなって。アラタよりいい男だぞ!』
いずみ『そーやっていつもからかって…でもありがとう。
本当にありがとう。』
シン『あいつ、辛い思いさせてるし、こんな時は寂しいよな。
…それでもアラタがいいんだろ?』
えっ?
一瞬シンさんがマジ顔になった気がした。
シン『アラタは真っすぐな人間だからな。
恋愛は今まで真っすぐではなかったみたいだけど、いずみちゃんだけは好き過ぎて突っ走り過ぎなんだよね。
初めてでどうしたらいいかわからないってやつ。
そこが不器用ってゆーか何てゆーか…。』
いずみ『沢渡えりかさんとの事は?
彼女はなんであんなに精神不安定なの?』
シン『付き合ってたのは半年前ぐらいだったけど、えりかがアラタに告ったらしいよ!
ファンクラブに入ってるくらいだから追っかけの子とかわらない熱狂的なファンだよ。
アラタは彼女もいなかったし、えりかの真剣な想いを知って一緒にいるうちに段々好きになったって言ってたよ。
でも、付き合ってみたらガキっぽくて大変だったっぽい。
アラタ自身はそんな事言ってなかったけど、付き合ってる二人を見れば何となくわかったよ。
メンバーの前でのやり取りとか色々とね。』
なるほど……。
沢渡えりかは私とタイプが違うかも?
シン『それでも、アラタは大切にしてたよ。
1度は好きになった女だからね。
別れてからえりかはずっとあんな感じだから別れ話が原因なんじゃないかなー?アラタも別れの原因をハッキリ言わなかったしね。』
あの二人には一体何があったんだろう?
続く…。