何かしゃべれなきゃと思うのに頭がまわらない…
「ごっごめんね、いきなり」
「あっ…いや…」
「……」
お互いさぐりさぐりだ。
「かき氷でも食べる?」
「…うん」
かき氷を買ってまた歩き出すと団体のグループに出会った。
「中野〜」
「知り合い?」
「一組の奴ら」
あっという間に中野は輪の中にいた。
中心で笑ってる中野は、私も知っているキラキラした中野だ。
不思議と久遠のことを考えた。
久遠も中野と似ている。
リーダーシップを持ち、誰からも好かれる。
でも久遠はどこか影が…
思い悩んでいると校舎の脇に女の子と消えていく久遠の姿が見えた。
「久遠…?」
気がつけば私は、久遠の後を追いかけていた。
「ねぇ、どこにいくの?」
女の子が久遠に甘えるように尋ねる。
久遠はダルそうに
「別に」
とあしらっていた。
「もう疲れたよ」
女の子がしゃがみこむと久遠は手をのばし
「お前がいこうってしつこいからきたんだぞ」
と呆れた感じだった。
私はバレないように、影に身をひそめた。
すると女の子は久遠の手をつかんで抱きついた。
なぜだろう…不思議な気持ちになった。
すると私は後から手で口をおおわれた