制服時代??

なぉ  2009-05-09投稿
閲覧数[297] 良い投票[0] 悪い投票[0]

月灯りが逆光になって久遠の顔が見えない。
だから私は、あの時真意がわからなかった。

二人の間に流れた沈黙を破ったのは、意外にも久遠の方だった。

「浴衣、似合うな」

「えっ?」

「まわってた奴とはぐれたのか?」

落ち着いた声だった。

「久遠…さっきの」

「心配するな、お前には関係ない」

お前には関係ない…
そう…そうなんだけど。

「…うん」

「今日のことは忘れろ」

そう言って、久遠は私に背を向けた。

「ねぇ、…」

「ん?」

「さっき言ってたことって本当?」

「…本当…かもな」

そして、手を降って祭りの中に消えてった。

私は体の力が抜けてその場にしゃがみこむ。

それじゃ、久遠は私のこと好きだってこと…

もしかして…
全てのことが線と線で結ばれた気がした。

「…私…」

「大丈夫か?」

久遠がいなくなってから、大倉はでてきた。

「いきなり飛び出すから」

すごく心配そうな顔をしていた。

「う…うっ…」

私は泣くのをこらえたいのに、涙が勝手にでてきた。
大倉は黙って私のそばにしゃがみこむと胸をかしてくれた。

「泣きたい時は泣けばいい」

そう言って頭をポンポンとなでてくれた。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 なぉ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ