ねぇ…大好きなのに。

春樹  2009-05-09投稿
閲覧数[181] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「もしもし」

春樹の声。

それだけで、私の目に涙が溢れた。

「春樹?」

「どうしたの?」

「どうもしないよ」

用事は無かった。

ただ、春樹の声が聞きたかった。

「亮と居るの?」

春樹が聞いてきた。

「うん」

「大丈夫なの?」

春樹の優しさが、私の心を苦しくする。

「わかんなぃけど、この前はごめんね」

春樹と逢った日、亮にその事がばれてからまだ春樹に連絡していなかった。

「別にいいよ」

「うん、でもごめんね」

「亮と戻ったんでしょ?」

春樹の口調が、少し変わった。

【違うよ亜弥は、春樹が1番好きだよ】

私の中で、その思いだけが破裂しそうになる。

「良かったじゃん」

黙っていた私に、春樹が言った。

「良くない」

私は小さい声で言った。

「だって、戻るしかなかったんだもん。戻んなきゃ、亮が春樹に何かしたら、嫌だもん」

私の気持ちは破裂した。

春樹を好きじゃなくなったと思われたくなかった。

「お前さ、そろそろ自分の幸せ考えた方が良いよ」

春樹が優しい口調に戻った。

「うん。でも今は自分の幸せ考えたから春樹に電話したんだよ」

そういう意味じゃないのは、解ってた。

ただ春樹が真剣だから、私は自分が弱くならない様に、ふざけて見せた。

そんな会話で電話は、終った。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 春樹 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ