―音がする。
オルゴールの音。
悲しい、けど強い旋律。
どこか心が安らぐ。 なのに、その旋律が悲し過ぎて涙が出る。
ぼんやりする。
俺は気を失っていたようだ。
俺はそっと目の辺りを触る。濡れていた。
―ん?そういえば頭が暖かい…驚いて起き上がると俺は膝枕されていた。
「夜宵…!?」
「よかった。起きた。」
アルビノの男が喋る。
「おや、やっと起きましたか。いやぁ〜随分と目覚めないので永眠したのだと思いましたヨ〜。」
でも俺は首の後ろの急所を攻撃されたはずだ。後ろにいたのは夜宵とこいつだけだ。距離的に夜宵は無理だったがこいつならできたはずだ。犯人はこいつしかいない。
「永眠?ちゃんとしないようにしたんだろ?アルビノ。」
「アルビノ?おっと、そういえばまだ名前を名乗っていませんでしたネ。ワタシはレックと申しまス。」
音がする。
オルゴールの音。
悲しい、でも強い旋律。
涙が流れる、悲しい旋律が―。