汚染 121

ふく  2009-05-09投稿
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何となく分かっていた
貴方は会議の後の飲み会に行った
またその後に貴方に呼び出されると予感したから残業をした

『まだ仕事してる?』と貴方からのメール
やっぱりね
『もうすぐ解散するから会おう』
ちょうど仕事も片付いた
更衣室を出て貴方と待ち合わせをする

少し赤い貴方の頬
お酒が入ると私に会いたくなる習性
『お腹空いたよね、何か食べに行こう』
少し遅い時間の食事
以前に二人で行ったお店を選んだ
ソファ席に並び手を繋いで座った
どんな時でも貴方は私に触れたがる
相変わらず周りの目を気にして恥ずかしがる私を見て『可愛い』と言ってくれる

『昨日のメールで凄く嬉しいフレーズがあったんだ』
そんな喜ばれる様なメールはしていないはずだった
貴方が明日飲み会がある事をメールで知った
『明日は飲み過ぎない様にするよ』というメールに
『楽しい飲み会かは分からないけど、楽しんでおいで』と返した
それだけの事
それだけの事が貴方には嬉しかったらしい
自分の方が年上なのに
年下の子からそう言われた事
『飲み過ぎても私がいるから大丈夫』と言ってくれている様で
その優しさに胸を打たれたらしい
確かに年上の人には上から目線の台詞だった
『楽しんで来て』ではなく『楽しんでおいで』と入れたのは
貴方が言う様に『私が貴方を助けるから』という意味を含んでいた
前にも貴方が酷く泥酔した時には私が介抱した
貴方を放ってはおけないから
いつだってその感情は持っている
貴方にはそれを見透かされた
貴方が喜んでくれたなら私の言葉は意味を持つ

『活字を見てその人を抱き締めたいと思ったの初めてだよ』と貴方は優しく言った
『ありがとう』と言って笑っていた

貴方の喜びは私の喜びになる
貴方の手を強く握り返して
貴方の側にずっといたいと心から思った

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