ミユキへのボディチェックが、腰にまで及んだ時、男の“口”ブザーが激しく鳴った。
「ブブブーッ!アラアラ金属反応が、いっぱい出てます鳴ってます!金属探知の出どころは、どうやらココしか有りませーん!」
と言いながら、男がミユキの短いスカートをめくり上げようとした時、突然ボコッという鈍い音がし、男の身体は膝から崩れ落ちた。そして殴られた腹部を押さえながら、その場で完全に気を失ってしまった。
「行こう」
マモルが促すと、ミユキは小走りで共に搭乗口へと向かった。
そしてマモルは言った。
「お前、スゲーな…」
「ウウン…自分でも分からないの。いきなりパンチが出ちゃって」
「驚いたぜ…なにせ一発KOだもんな。悪いこと出来ねぇよ」
そんな会話を交わしながら、二人は光の射す方へと歩みを進めた。
二人が搭乗口までやって来た時、逆光の先に、一人の男が立っていた。
――亀山だ。
だが、亀山の姿は先程会った時のスーツスタイルではなく、パイロットのような格好をしていた。
「お待ちしておりました。では、ただ今から機内へとご案内します」
亀山はそう言うと、二人を搭乗口の先へと導いた。
「なんだかイヤな予感が…」
ミユキは小さくつぶやいた。