目が、ぼんやりする。
…殺された?
記憶がない。それは夜宵と同じく脳が無いってことか?
レックはあそこには居なかった?だとしたらレックはいつの人間なんだ?
…そもそも人間なのか?
リルは?あいつは何者なんだ?
現代でも会えると言ったけど、会えるのか?
輝と幸はなんで生きてる?何故昔と名前が違う?
俺の直感が正しければなぜ悪魔の輝と天使の幸が一緒にいる?しかも輝は王族なんだろ?
…何故?
「知りたいの?でも駄目ね…。」
鏡の妖精は言う。
「あんたは…誰なんだ?」
「私は人間でも悪魔でも吸血鬼でも神でも天使でもない…。でも私は妖精でもないわ。」
リン…。
鈴の音と共に妖精?の声は聞こえなくなった。
よし!事は夜宵に聞けばいいんだ。あいつの望みってのを!
…あれ?俺の目が治らない?ぼんやりとしか見えない…。
「あれ…?夜宵?何処?」
目の前に誰か来る。ぼやけて誰かわからない。
「夜宵?」
返事はない。
キイィィィン!
何かの音がした。
高い音。
例えば何かが始まるような音。
でもぼやけた視界の中に見えたのは紅い世界だった。