所々に紅がある。
あれは…瞳?
瞳が紅いという事はレック…?
あれは…翼?
2組ある…幸と夜宵?輝は?
じゃぁ俺の前にいるのは輝?
「輝…?」
返事はない。
チリン…。
鈴の音がする。
「妖精?リル?」
誰―?
『生きたくない…。』
夜宵?
『私は誰?』
幸?
『いつまで続くんだよ…。』
輝?
『ワタシの事を忘れないで下サイ。』
レック?
チリン…。
誰かが俺の耳元に近づく。
「生きたいの…?」
妖精の声だ。
「当たり前だ。」
「ふぅん。」
あれ…妖精の声じゃないかも?リル?
チリン…。
この音…リル?
「貴方はいまどうしたいの?」
リル?妖精?どっちだ?
「俺は…ッ!」
「言ってごらんなさい。貴方の望みを。」
『さぁ…解放の時が来た!君の…ドールの気持ちを聞かせて?』
耳に聴こえるのは妖精なのに…なぜ頭に響くのはリルの声なんだ?
いや、そんな事はどうだっていい。
俺は…!!
「俺は…このゲームをクリアしたい!」
誰がなんと言おうと、目の前の光景がどうだろうと関係ない。
「夜宵の望みを叶えるしかないだろ!」
次の瞬間…目の前がはっきりした。
目の前にいたのはリルだった。
「やぁ。久しぶり…ドール。」
窓を眺めるレック。
彼の瞳は紅く輝いていた。
幸と夜宵は…翼を広げて眠っていた。
気持ちよさげに。
呆れて言葉もでない。
「あれ…輝は?」
リルが深刻そうに答える。
「いるよ…。でも彼はもう形を保てないくらいに…命の寿命が…余裕が無いんだ。」
シオンがなり響く。
《兄貴が…》
何処からか消えそうな輝の声がする。
《幸は昔は女として生きてたんだ。あいつの躰は男でも女でもない。今悪魔の世界で魔王をやってる俺の兄貴が…シオンに…幸に送った曲がシオンなんだ…。》
いったい、これから俺は…どうすればいいんだ?