Dear Love ?

奈緒  2009-05-15投稿
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「ねー彩菜」

詩織に肩を叩かれて、携帯への目線を詩織へと移した。

「何?」

「まーた探してんの?」

「今お金なくってさ〜」

詩織は呆れたように笑って、廊下に目をやり溜め息をついた。

「また来てるじゃん」

「んー?」

同じように廊下に目をやると、゙彩菜ちゃんLove゙といううちわを持った後輩たちがたくさん集まっていた。

「あいつら懲りないね」

詩織とあたしは目を見合わせると、クスッと笑った。


藤森 彩菜 (17)。

顔にも体にも自信たっぷり。
だから、街に出るとスカウトマンが群がってくる。

ナンパもかなり来るし、迷惑メールやイタ電も。



「彩菜、また来てるよ〜」


松本 詩織 (17)。

あたしと同じく。
中学の時からの心友。


「もういい加減諦めて下さいって言っといてよ」

「本人からじゃないと嫌だってさ」

「もー‥」


しぶしぶ席を立って廊下に出た。

「‥あのっ‥」

「あー‥拓くん?」

「‥まだ諦められません!」

「ごめんね?」

「‥俺と試して見てから決めてくれませんか?」


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