あなたの恋です―2

橋本ゆかり  2009-05-16投稿
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ファンタジーが落ちてくる…なんて変な表現だけど当たりだと思う。

頭上に落ちてきたのは10cmくらいの女の子。袖無しのワンピース着てて…
「ティンカーべ…」
「違いますっ!!」
いきなり落ちてきた妖精に怒鳴られてしまった。

「え?何…?」
私はこんなハプニングに慣れていない。とりあえずワイヤーや機械的な部分を探す。誰かのしわざじゃないか?

妖精がしゃべり始めた。
「そんなぶしつけな視線で見ないで下さい…。落ちてきてすみません。私は恋の国からきたユウヒって言います…」
吹き出してしまった。
「恋の国からって!!夢の国でなく!?」
「だから違いますってば。人のこと笑ってますけど、私、あなたの欲求不満オーラに寄せられて来たんですよ。」
「や、もっと別の言い方しようよ。」

ユウヒの話を冷静になった頭でまとめると…

謎の恋の国から特別な異世界が見えるカメラを通して、私の恋愛の様子を知って来たくなったらしい。
「他のみんなは近くまで見に行っているのに、私は親が厳しくて…。
恋の国では人々に恋の定義とかそういったものを考えさせるのが使命なんです。
やっぱり近くで話を聞いてみたかったので、家を抜けてきました!」

冷静に聞きながらもついキョロキョロしてしまう…ドッキリなのでは!?でも残念ながら私は芸能人でもないし、文化祭での映像企画のでもなさそうだった。

「あっ無理して喋らなくてもいいですよ。心の思いで分かりますから。私の姿は他の人には見えてないので、1人で話しててイタい人になっちゃいますよ。」

けっこうトゲのある妖精だと思う。

私はこんな現実を認められずにいた。

立ち尽くす私に遠くの道路にちょっとまぶしく、ある人が目に映った。



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