明るい南国の保養都市である『ロザーナ』は今日も雲一つ無く晴れ渡っていた。
ロザーナの気候は、夏は非常に暑く、冬でも海で泳げる程温暖である。また、平均気温は摂氏18度を超え、日中の最高気温は摂氏25度を上回る。まさに熱帯気候であり、その美しい南国都市の情緒溢れるトロピカルな風景に惹かれ、観光に訪れる客も多い。その為、各地に観光地が栄え、多くのリゾートホテルなどが立ち並んでいた。また、夜はバーなどの飲食店が多く建ち並ぶ歓楽街のネオンがとても美しく、綺麗であり、沢山の人々で賑わっている。
そんな美しい南国の保養都市にて“corrida”というロザーナではそれなりに知れ渡っている便利屋を経営するジョニー・カーライルは寝起き早々、早速依頼を受け、依頼人との待ち合わせ場所の喫茶店へと足を運んだ。
喫茶店『HOTLOVE』の扉を開け、早速カウンターの席へと腰を下ろした。HOTLOVEはジョニーのまさに行き着けの店であり、依頼人との待ち合わせ場所によく使っている。
「よぉ、ジョニー」
カウンターの向こうから、1人の中年男が彼に話しかけてきた。それに対し、ジョニーはいつもの口振りで答える。
「ああ。こんにちは、エリックさん。
アイスコーヒーを頼むよ」
大体、40代後半くらいであり、長髪をオールバックにしたその中年男はエリックと言った。
エリックは数秒もしない内に、アイスコーヒーをカウンターテーブルの上に置いた。
「どうも」
ジョニーはそう言って、早速それを口に運ぶ。そして、左手首に付けている腕時計に目をやった。
(待ち合わせ時間まで後五分か)
ジョニーは心の中でそう呟くと、視線をエリックに戻した。
「依頼人はいつ来る?」
「後五分もすれば…」
だが、ジョニーが言い終える前に突如と扉が開かれ、そこから1人の女性が姿を現した。
「来たか」
続く