「さて、次に俺たちがやることは?」
「【三種の神器】を封印…」
「待って。」
ランスォールの言葉を遮りシーラが言った。
「どうしたんですか?」
「こんな事…みんなに頼むのはおかしいってわかってる。
でも、でもね。」
そこまで言ってシーラは俯いてしまった。
彼女の言いたいことは大体見当がついている。
「それでもやっぱり…あの人は私の、たった一人の家族だからっ!
出来るなら、救ってあげたい。
もう一度チャンスをあげたいの!!」
私が、彼らに救われたように。
彼らが私に、チャンスをくれたように。
「シーラ…」
お願い、と消えそうな声でもう一度呟いた。
「わかった。
これは親子の問題だ。
オレたちに出来るのはこれくらいの手伝いしかないからな。」
「ランス…ありがとう、ありがとう…」
シーラは俯いたまま、ランスォールの手を握って何度もありがとうと繰り返した。
そしてそれから、祭壇の間にカロウドが現れたのは間もなくのことだった。
「…父さん。
最後のお願いよ。
罪を、償いましょう?
私も、私も一緒に償うからッ!!」
「シーラ…」
そう言ってシーラを見つめるカロウドの瞳は驚くほど優しかった。
そんなカロウドにシーラは安堵の表情を浮かべる。
「父さん…」
ああ、わかってくれたのね…
しかし、すぐにその認識が間違いであったと気付く。
「そいつらに唆されたか。
可哀想に。不老不死も失って。」
「とう、さん…?」
「シーラ、やっぱりもうダメだ!
力ずくで止めよう!」
後ろでランスォールの叫ぶ声が聞こえる。
「で、も…」
「先にカロウドの呪いを解くんだ!」
「…わかったわ……」
シーラは辛そうに顔を歪めて頷いた。