その女性は、真っ直ぐカウンターまで歩いてきてジョニーの隣りに座った。
すかさずジョニーは彼女に話し掛ける。
「あなたが依頼人のケリー・マディソンさんですか?」
そのケリーというダークブロンドの女性は大体30代前半くらいであり、なかなかの美人だ。
彼女は目を丸くしながらジョニーの方へと顔を向け、応えた。
「は、はい、そうです。もしかしてあなたがジョニーさん?」
「えぇ、そうです」
彼女は笑みを浮かべながら、右手を差し出して言った。
「よ、宜しくお願いします」
ジョニーも笑みを浮かべ、彼女と握手しながら応えた。
「こちらこそ」
すると、エリックが彼女に尋ねた。
「何にする?お嬢さん」
彼女はしばらくメニューの一覧に目を通し、考えた。
すると
「じゃあ、レモネードで」
「はいよ」
エリックは数秒もしない内に、レモネードをカウンターテーブルの上に置いた。
「ありがとうございます」
彼女はそう言って、レモネードを口にした。
そこでジョニーは早速、彼女に用件を聞く事にする。
「早速だが、ケリーさん、用件は何でしょう?」
彼女はゆっくりとコップをテーブルに置き、話し出した。
「私の息子が、家を出て行ったきり帰ってこないんです‥もう半年以上経ちます‥」
彼女は、先程までの笑顔とは一変して、悲しげな表情へと変わっていた。
「なるほど。家出か。つまり、その息子さんを連れ戻してきて欲しい訳だな?」
「は、はい‥」
すると、彼女はバッグから一枚の写真を取り出し、ジョニーに渡した。
その写真に目を通しながら、ジョニーは言う。
「ふふっ、ハンサムだな。年はいくつです?」
「今年で、15です。名前は、エディです」
「なるほど。それじゃあ、この写真はしばらく預かりますよ」
ジョニーはそう言って、写真を懐のポケットにしまった。
「‥あんなつまらない事で家出しちゃうなんて‥ああ、心配だわ‥」
「反抗期ですからねぇ。まあ、安心して下さいよ。エディ君は必ずあなたの所へ届けますから」
「あ、ありがとうございます。本当に心強いわ」
続く