晶は
ヒーとニチにご飯を食べさせながら
「付き合ってないよー
仁君は幼なじみのようなもんだよ」
ご飯を食べさせ終わった晶は
オレの方を向き
「っていうか
幼なじみというよりは
お兄ちゃんみたいなもんかな」
そう言った
まったく自分が想像していなかった晶のその言葉に
一瞬、呆然としてしたものの
けど
晶と仁先輩は
付き合っている訳ではなかったんだ
そう自分の中でやっとわかった瞬間
晶に対して
好きになりつつある
オレの今のこの気持ちを
止めなくてもいいんだ
と、いう思いにあふれたオレは
大袈裟な言い方ではあるが
希望と喜びがわいてきた
心の中はそんな状態だというのに
それを素直に表に出す事まではきないオレは
「なんだ
てっきり仁先輩と付き合ってるのかと思ったよ
他の奴らもそう思ってるぜ」
至って冷静という風陰気を装っている
「仁君は
ああ見えても凄く優しい人なんだよ」
「そうなんだ?
まぁ、確かに怖いっていうイメージはあるけど
おまえが言うんだから
そうなんだろうな」
「藤本昌平君だって、優しい人だよ!
私、わかるもん」
そう言いながら
晶はオレに、ニチを渡してきた
オレはニチを抱っこしながら
「そうかー?
オレ、優しいって思われるような事なんかなんもしてねェけどな」
すると晶は立ち上がり
「してるよっ!優しい事!」
と、言うと
自分のカバンの中から財布を取りだし
その財布の中から
赤い羽を一つ
取り出した
「それって
募金すると貰える赤い羽?」
晶はその赤い羽をオレの方に突き出しながら
「そうだよ!」
と、言った
けどオレが優しいっていう事と
その赤い羽が
どう関係あるんだろうか?
オレにはいまいちよくわからなかった・・