「オレら、屋上なかったら死んでるよな?」
「うん、絶対死んでる」
僕らはそんなコトを言いながら、学校の屋上でダラダラしている。
「オレここ来るタメに、学校来てるって感じだな」
「うん」
僕は初夏の風に吹かれながら、生返事。
気持ち良すぎて、話が頭に入ってこない。
「海に行きたい」
「いきなり何ゆってんの?」
「だから、う・み・に・い・き・た・い」
「まだ早いよ」
「じゃあ花火がしたい」
「あっそ」
「お前は、何したい?」
「世界征服」
「いいじゃん、それ」
「やっぱダルい」
「じゃあさ、学校は?」
「意味わからん」
「だから……学校を征服するってのは?」
「それ面白そう」
そう言いながら目を閉じた。