「それと…」言いにくそうにタカヤマ刑事は口ごもった。
ああ、やっぱり逮捕されるのか…。でも後悔はない。自分達のした事に誇りを持っている。クミは覚悟した。
「何か私達は法に触れましたか?」ナミエがエレガントに訊いた。
「いえ…そうではないんです…何と言うか…。歌、素晴らしかったです。あの場に居られた事を誇りに思います。それで…その…サインをしていただけませんか?」
タカヤマが、はにかみながら言った。
「あ、ズルいぞ!タカ!それなら俺だって」ユウジが言った。
「ちょっと先輩達!失礼ですよ。職権濫用ですよ」トオルが止める。
「オレはずっとクミちゃんファンなんだよ!お前にこの気持ちがわかるか?」タカヤマが叫ぶ。
「オレだってアユのファンだって言っただろ!」ユウジが言った。
「いやいや、先輩達、オレの方がナミエに癒されてますって!」
三人の刑事が、もめ出した。
三人の歌姫達が声を出して笑った。